【忖度なし】iOS版 IFW レビュー|サックス&ウィンドシンセ奏者が使ってみた感想

ついに iOS版 IFW がリリースされました。
これは本当に「待望」といえる出来事です。

「それってなんですか?」
いつから使えるようになりますか?」
と生徒さんからも繰り返し聞かれていた本製品。
今回はそんなIFWの実力に迫っていきます!

ついに iOS版 IFW がリリースされました。
これは本当に「待望」といえる出来事です。

「それってなんですか?」
いつから使えるようになりますか?」
と生徒さんからも繰り返し聞かれていた本製品。
今回はそんなIFWの実力に迫っていきます!

EWIに特化した最強の音源

IFWといえば、EWIに特化した最強のソフトシンセとして長く愛されてきました。
PC版の方は一般の方も使用できたものの、導入にはPC環境の構築が必要で「少し難しい」と感じる方もいたと思います。
今回のiOS版は、そうしたハードルを一気に下げ、スマホやタブレットで気軽に起動できるようになったのが大きな魅力です。

本記事では、実際に使う上で気になる下記の6つのポイントに分けてレビューしていきます。

  1. どんな音色が出せるのか
  2. 操作のしやすさ
  3. 吹き心地
  4. 価格
  5. 安定性(動作の軽さやバグの有無)
  6. どんなところで使うのがベスト?

IFWは、現行のEWIシリーズは勿論、最近流行っているNuRadでも使用可能です。
この記事が皆様のウィンドシンセライフの助けとなれば良いなと思っております。

どんな音色が出せるのか

IFWは基本的にシンセリードとして使うことがほとんどになると思います。
ブラス的な音色や、フルートのような音も出せますが、やはりフュージョン系でよく耳にする「アノ音!」をしっかり鳴らせるのが大きな魅力です。
そして、ウィンドシンセの音源らしい抜けの良さがあり、吹いていて気持ちいいと感じられるのが特徴です。

さて、そんなIFWですが、デモ版には3つの音色が収録されています。

IFW Power Saw
・Ai no Omens
・Treasure Island

の三つですね。
この中でも「Ai no Omens」は特に気に入りました。
ジャンルを問わず使えそうな音の太さと吹きやすさで、無料で使える音色にしては「これだけでも十分すぎない?」と思うほど良い音です。

もちろん、この3つはあくまでお試し用で、音色の編集などは出来ません。
エフェクトの調整なども含めてしっかり使うには、サブスク加入が事実上必須です。

さて、実際にサブスクに加入してみると、プリセットの音色が豊富に設定されています。
そして、保存されている音色は全てウィンドシンセ用で、プリセットから選んで吹くだけで即戦力の音色が多く収録されています。
一方で、ライブ等で使う視点から見ると、エフェクトの効き方に納得がいかなかったり、音色もちょっと違うと感じる部分も勿論ありました。

とはいえ、ウィンドシンセに最適化された音色なので、例えばディレイのWET/DRYを少し調整する程度で一気に好みの雰囲気に近づいたり、フィルターの利き具合を変えたりといった微調整で済む事が多かったです。

そもそも、プリセットは幾らでも編集可能ですから、ここから楽しみが一気に広がるという事ですよね。
そして、それらの各セクションもアクセスしやすく、操作もかなり分かりやすくて直感的だと感じました。
なので、「プリセットを必ずそのまま使わないといけない」という縛りでもない限り、弱点でも何でもありません。

さらにIFWの大きな特徴として「音色の共有機能」があり、「Community」タブを通じてクラウド上にアップされた世界中のプレイヤーの音色をダウンロード可能です。
これはシンセ音色を自分で作れる仕組みに加えて、他人の知見も共有できるということ。
つまり拡張性や可能性は事実上『無限大』
スマホアプリでここまでやってくれているのは、正直「やばい」の一言です。

とりあえず、プリセット音色から「Ai no Omens」を選択し、少しだけ自分好みに調整して吹いてみました。
本当に起動してちょこっと設定を変えて吹いただけなのですが、十分良い音色ですよね。
これがiphoneやipadで出せるのは脅威の一言です。
録音時にミスってちょっと音が割れててすみません…。

操作のしやすさ(+必要な機材)

操作画面は、シンセを触ったことがある人であればすぐに理解できるほど分かりやすい作りです。
オシレーター、フィルター、アンプ、EG/LFO、モジュレーション、エフェクト、EQ/マスターなどが1画面に並んでいて、それぞれをタップすると詳細な編集が可能。
変な裏メニューみたいな画面がないので、好印象ですね。

勿論、本当に初めてシンセを触る人には少し難しく感じられるかもしれません。
ただし、プリセット音色がウィンドシンセに特化しているため、最初から「ちゃんと鳴る音」でスタートできます。
プリセットを選んで少しずつ弄っていくだけでも学びが多く、結果的には初心者にも十分触りやすい環境だと思います。

機材面については、まずはUSBで繋げばそのまま音が出せる点が便利です。
この場合はiPhoneやiPadのスピーカーから直接音が鳴ります。(iPhoneの場合は別途電源の供給がないと反応しないかも)
ただし、PCに取り込んだり、ライブやセッションで使おうと思うと、別途機材が必要です。
ライブで使いたい方は下記の動画を参考にされると良いでしょう。

河原塚ユウジ氏はサックス・ウィンドシンセのプロプレイヤーで、非常に有益な情報を動画で発信されていらっしゃいます。
チャンネル登録しておくとお得な情報が沢山見れますよ!

まずはタブレット等で音を出してみて、「ライブでも使いたい」と思えたら機材を揃えてみるのがおすすめです。
私はFocusriteのオーディオインターフェースを使って外部に出していますが、やり方はいろいろあるので、知識や環境に合わせて工夫してみてください。

吹き心地(吹奏感とレイテンシー)

ウィンドシンセは、息の力で音量が大きくなるだけでなく、フィルターがそのタイミングで開いていって音色が変化していきます。(シンセや設定によって挙動は色々ですが)
それによって、まるで生楽器のような表現が可能になっている訳ですね。

IFWのプリセット音色は、最初からそこが良い感じに設定されています。
なので、まず吹き心地としては最高だと言えるでしょう。

とはいえ、設定次第で音色の印象も大きく変わりますので、自分の出したい表現に応じて積極的に触ってみるのがおすすめです。

例えば、フィルタータブの右から二番目のノブを回すと、音色がどんどんキラキラしてきます。
それだけでなく音色そのものも結構変化する感じがするので、ノブを回してどう変わるかを自分の耳で確かめるのが一番良いと思います。

その他には、KEY TRK(一番右のノブ)を上げていくと、高音域がより輝きますね。
この感覚が正しいのかは置いておいて、私はそんな感じで適当に設定を弄っています。

IFWのフィルターやその他の設定はもっと奥が深い訳ですが、プリセットが結構良いお手本になるので、色々と弄って遊ぶと良いですね。

次に、レイテンシーについてです。
レイテンシーとは、吹いてから音が鳴るまでの“わずかな遅れ”のことです。
ウィンドシンセではここがシビアで、少しでも遅れると吹きにくさに直結します。

結論としては、iOS版IFWはほとんど遅延を感じませんでした。
スマホ/タブレットを操作していることを忘れるくらい自然に反応します。

実は「Ai no Omens」の音色を最初吹いたとき、ちょっと遅れる感じがして「あれ?」と思ったのですが、Attackの数値を全部0にしたら気持ち良く吹けるようになりました。
これは人によるかもしれませんね。
私はどうしても生楽器の奏者でもあるのでダイレクトな吹き心地が好きなので…。

ちなみに、設定内の 「audio buffer size」 を小さくしていくとレスポンスはどんどんタイト(遅延がなくなっていく)になります。
マシンパワーが不足するとクラッシュの可能性はありますが、自分の環境では最小設定でも問題なしでした。
万一不安定なら、一個だけだけ大きい値にすると落ち着くはずです。

結論としては、遅延はほぼないと言っていいかと思います。

価格について

iOS版IFWはサブスクリプション形式で月額300円、年間だと3,600円です。
これ以外の費用は一切かかりません。

高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、比較としてシンセ音源のハードを購入しようとすると10万円前後は当たり前。
そう考えると、内蔵音源を卒業したい方にとっては破格の安さと言えるでしょう。

さらに、コミュニティ機能のおかげで音色がどんどん増えるだけでなく、他人の音色を通してシンセの音作りを学べる教材としての価値もあります。
サブスクという料金体系は、こうした継続的な進化や学びとも相性が良いと感じました。

もちろん「もし今後アップデートが止まってしまったら、買い切りの方が良いな…」と考えてしまう気持ちも正直あります。
ただ、製作者のring2さんは他にも素晴らしいソフトシンセを作られていて、その開発や維持のためにもサブスクで応援していくのが一番だろう、と個人的には思っています。

余談ですが、ring2さんのもう一つのiOS用シンセ、こちらも本当に驚くほど良い仕上がりなんです。
こちらもその内リリースされるでしょう…。
IFWとあわせて、今後の展開が楽しみでなりません。

安定性(動作の軽さやバグの有無)

安定性については、これまで使っていて特に問題を感じていません。
前述のとおりレイテンシをかなり早い設定にしても問題なく動作しており、まだ一度もクラッシュしたことはありません。
ソフト自体も軽快に動いている印象で、安心して使えるレベルだと思います。

一方で、数日前にX(旧Twitter)で「サブスクが反映されず初期画面に戻ってしまう」という報告を見かけました。

しかし製作者さんにすぐ声が届いたようで、あっという間に解決されました。
実際に私の環境でも現在は全く問題なく使えています。
こうした迅速な対応からも、フットワークの軽さと信頼できる運営体制を感じられて、むしろ好印象ですね。

現状はまったく不安はありませんが、iPhoneの古い機種だと動作がやや心配な面はあるかもしれません。
ただし無料で7日間試せるため、自分の環境で問題なく動くかどうかを確認できるのは安心材料です。
無料で全機能体験出来るはずなので、気になる方はぜひ一度試してみることをおすすめします。

どんなところで使うのがベスト?

結論から言うと、どこでも使えます。

自宅で使う場合は、USBを接続するだけでiPhoneやiPadのスピーカーから音が出ます(USBハブで給電が必要になる場合もあります)。
EWI SOLOのような感覚で気楽に音が出せるので、とても楽しいです。

一方で外で使う場合は、やはり機材の準備が必要です。
オーディオインターフェースやハブなど、多少の機材費はかかりますが、それさえクリアできれば音としては十分ライブやセッションでも通用するでしょう。
実際に私自身も、近いうちにライブで使ってみようと考えています。

工夫次第で可能性がどんどん広がっていきますし、やり方が分からなくなったらプロのレッスンに一度通ってみるのも良い方法です。
一度覚えてしまえば、思ったよりも難しくなく使えるようになると思います。

まとめ

iOS版IFWは、待望のリリースにふさわしい完成度でした。
シンセリードを中心に気持ちよく吹ける音色、わかりやすいUI、そしてiOSでも遅延をほとんど感じさせない快適さ。
月額300円という価格を考えても、ウィンドシンセをこれから楽しみたい方にとっても、すでに使い込んでいる方にとっても強力な選択肢になると思います。
これまで「PCの導入はちょっと難しい」と感じていた方でも、iPhoneやiPadで気軽に試せるのは大きなメリットです。

EWIの内蔵音源に納得がいかない方、EWI USBやNuRadといった音源を持たないコントローラーの外部音源を探している方、
外部音源にチャレンジしたことはあるけど難しかった方など、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

教室のご案内

ウィンドシンセをもっと楽しみたい方、演奏を深めたい方は、ぜひ教室のレッスンも覗いてみてください。

EWIはもちろん、最近では NuRad や エアロフォン を使ってレッスンに通っている生徒さんもいらっしゃいます。
講師はEWIでお教えしていますが、ウィンドシンセとしての奏法など共通するところが多く、丁寧にサポートしていきますので、安心してご受講いただけます。